ローマ字変換で、漢語の打鍵数を極力へらす試み
1 azik
ローマ字変換で、打鍵数をへらす方法には、すでにazikがあり、多くの人が その恩恵に浴している。azikは覚えやすいように工夫されている優れた方法な ので、今更別な方法を持ち出す余地は、ほとんどないと思う。
でも方針を変えて、覚えやすいということを犠牲にして、さらに漢語の入力に しぼって、打鍵数を極力減らすことを試してみた。覚える量も、規則に例外が 一切ないように心がけることで、小さなcheat sheet(カンニングペーパー)を 見るだけで使えるようにした。
2 installの方法
azikと同様、ローマ字変換表をmozcの設定fileに読み込ませるだけですむ。だ からazikのinstall方法をみてもらえばいいのだが、念のため、ubuntuのlinux の場合を以下に示す。
computerを他の人と共用している場合は、installは止めた方がいいと思う。
- ローマ字変換表はここにあるので、これをdownloadする。
- mozcの丸に囲まれたicon「あ」が出ている時、それを右clickする。
- mozc toolをclick
- configuration toolをclick
- ローマ字テーブルの一番下にある「編集」をclick
- 下から2番目の行にある「編集」(これはconvo boxになっているので、小 さな逆三角形がついている)をclick
- インポートをclick (元に戻す場合は「元に戻す」をclick)
- 「上書きするか」の「OK」をclick
- file検索窓が出るので、dwonloadした、ローマ字変換表を選ぶ。
3 使い方
- ローマ字は訓令式による。ただし、azikと同じく、「ん」は「q」、「っ」
は「;」による。
たとえば「はんえい」は「haqei」、「がっこう」は「ga;kou」。このこと を知らないと、ローマ字入力に支障が出る。逆にこのことさえ知っていれ ば、訓令式に従う限り、支障はない。
またazikと同じく、長音には「:」を使うことができる。
- azikと同じく、hepburn式の「j」は使うことを許す。またhepburn式の「sh」 の代わりに「x」、「ch」の代わりに「c」を使うことができる(xは中国語 で、cはイタリア語で同様)。たとえば、「列車」は「re;xa」、「ちゃちな」 は「cacina」。
- 「てぃ」などに必要な小さな「い」や「や」などは「li」、「lya」のように、 頭に「l」を付ける。
- 次の表はcheat sheetの一部である。
n an g in m un d en b on
これは、# が子音(k s t n h m y r w g z d p b j c x)の一つを表すとすると
「g in」は #g と打てば、#inとなるということを意味する。
たとえば kg -> きん、cg -> ちん、tg -> ちん、rg -> りん となる。
4 cheat sheet の全体
n | an |
g | in |
m | un |
d | en |
b | on |
f | ai |
w | uu |
l | ei |
d | ou |
r | ya |
s | yu |
k | yuu |
t | yo |
j | you |
p | aku |
v | oku |
x | yaku |
z | yoku |
@ | eki |
; | atu |
c | etu |
q | itu |
5 cheat sheetを見ての入力例
mxrp -> みゃくらく
kxxv -> きゃくしょく
mcrc -> めつれつ
mnnd -> まんねん
slrc -> せいれつ
ypsv -> やくそく
kkxw -> きゅうしゅう
sprx -> さくりゃく
spsd -> さくせん
gxgjrc -> ぎゃくぎょうれつ
xpml -> しゃくめい
xpncjigv -> しゃくねつじごく
g@t@ -> げきてき
s@ngmbdf -> せきにんもんだい
jgslg@jh -> じんせいげきじょう
kkkkxa -> きゅうきゅうしゃ
gcmdcpriku -> げつめんちゃくりく
xhcw -> しょうちゅう
kzrz -> きょくりょく
tvxukpch -> とくしゅかくちょう
gpr@ -> がくれき
6 azikとの違い
漢語に頻繁に現れる「かく、がく、さく、たく、らく、きゃく、ぎゃく、りゃ く」などの打鍵数を減らすようにした。そのかわり、azikの「特殊拡張」 の 「mn->もの、ms->ます」 などは止めた。結果としては覚えることは少な くなっていると思う。
7 問題点
キーの割当に一貫性がない。本当は頻繁に現れるパタンには、打ちやすいキー を当てるようにすべきである。
まだほかにも頻繁に現れるパタンがあると思われる。割り当てるための、ま だ空いているキーとしては、「, . : 」が、また打ちにくくはなるが、「1 2 3 」などある。
キーの割当を変えたければ、ちょっとしたrubyなどのprogramを書けば、自動 でできる。ただ、今のローマ字変換表は継ぎはぎだらけの間に合わせの物だか ら、一から作りなおしたほうがいいと思う。
8 bug
sq, sx, sz は、それぞれ situ, syaku, syoku となるはずだが、sq, sx, sz のままになる。理由はつきとめていない。
「しつ、しゃく、しょく」を入力するには、とりあえず 「xq, xp, xv」とタイプとすればよい。そうすれば xitu, xaku, xoku に変換さ れる。